0008 足立 シヲリ (54/55)

中野ちゃんは、彼らに応戦しながらあたしを連れて逃げ出してくれたらしい。


こんなに可愛いのに、なんて頼もしい子だろう。


携帯の時間を見たら、すでに11時50分。もうじき今日が終わる。


「はは ごめん 勝負どころじゃなくなっちゃったね」


あたしがそう言うと、中野ちゃんは笑顔で応えてくれた。


よく見たら、服の至る所がヨレてるし、眉毛も消えかかってる。



髪の毛までズレてるし。



あいつら、マジ覚えておけよ。家に火を着けてやろうか。



ん?髪の毛がズレてる。



中野ちゃん、髪の毛ズレてない?



なんか、不自然に頭が曲がってるというか、中野ちゃん、髪の毛がズレてるとしか言い様がない。



酔いが残ってるあたしは、ふざけ半分で中野ちゃんの髪の毛を引っ張った。



「中野ちゃん ウィッグだったの?」



髪の毛をグイっと引っ張ると、中野ちゃんが抵抗する間もなく、ズルリと髪の毛が取れた。



すると、短髪の中野ちゃんが現れる。



「え?あれ?中野ちゃん?」