0008 足立 シヲリ (55/55)

病気とかじゃなくて、男の髪型って感じの短髪。



「あんた!男だったの!?」



中野ちゃんは、今まで通りの震える小鳥みたいな表情で、口元を手で隠す。



「ご ごめんなさい」



けど、髪型が男らしくて思わず笑いそうになった。



マジかよ。認めちゃったよ。



中野ちゃん男だったよ。



あたしの中に、色々な感情が広がる。



あたしは中野ちゃんが男と疑わず、おごらせ勝負なんて提案して。



男の中野ちゃんに、女としてうらやましいって思ってた。



ビックリというか、ショックというか。



これって女としてどうなの?



たしか最後の勝負金額も、あたしは中野ちゃんに負けてたし。



あたし、男に女の魅力で負けてたんだ。



そう思った瞬間。



   『 カチカチッ 』



口の中のSCMが鳴った。



中野ちゃんも口の中で、何か感じたらしい。



あたしは、さっき薬を食わされた興奮とは少し違う、忙しい緊張感を感じていた。



これが奴隷になる合図?



そしてすぐに




『 キュイ──ン 』




え?あれ?え?




これ、たしか他のSCMが接近した時に鳴るアラームじゃ。