0008 足立 シヲリ (51/55)

なんか体が軽くて、浮遊感がある。


今なら飛べる。


それに、なんかちょっとドキドキしてアソコが濡れてる気がする。


やべ、飲み過ぎたかな?


「あんた達さあ コップの内側になんか塗った?」


中野ちゃんの声が聞こえる。けど、なんか急激に眠い。


「どうなんだよ!」


中野ちゃんぽいけど、男みたいな怒鳴り声が聞こえる。


けど、まぶたが重くてこれ以上開かない。


よだれが出てくるのが分かる。


「お前らあ!薬入れたろ!」


断片的な視界の中、中野ちゃんの大声が聞こえた。


高い叫び声とか、壁だか家具を叩く音も聞こえた。


ヨレてても、その場が修羅場チックになってることは分かる。


かろうじて開いてる半分の視界はあたしの意識じゃなくて、自分はレンズがぼやけた監視カメラになったような客観的な感覚だ。


けど、あたしの体は重くて動かせない。


金縛りの手前みたいに、動かないし、動かしたくない。


中野ちゃんがあたしの体を支えて、レイバンの家のドアから出て行ったのは覚えてる。