0008 足立 シヲリ (49/55)
そこからしばらく歩くと、コンビニに着いた。
夜道を歩いてから入ると、まぶしく感じる店内で、みんなでカゴに好きな物を投げ込む。
酔ってるから平気でポンポン入れてたけど、会計の時にレイバンのサイフの中が見えた。
1000円札が2枚しか無かった。
オデもサイフの中の小銭をまさぐっている。
2人とも、そんなにお金無かったんだ。
あたしの中で、重い罪悪感が広がる。
中野ちゃんは雑誌を読んでいた。
あたしと中野ちゃんは、勝負と銘打ってすごく悪いことをしてる気がした。
オデもレイバンもまだ若い。
今風に着飾っていても経済的に、そんなに余裕があるとは思えない。
「どうしたの?」
コンビニを出ようとするレイバンが、まだコンビニの出口で立ち止まっていた、あたしに聞いてきた。
あたしはレイバンが持っている、好きな酒やつまみをねじ込んだコンビニの袋を見る。
「あ いや ありがとう」
本当は、ごめんなさいって言いそうになった。
中野ちゃんはバックを振り回し、ご機嫌な様子でオデと夜道を歩いている。
罪悪感はあったけど、レシートを見ながら勝負金額に加算はした。
中野 5840円+1270=7110円
足立 5270円+1310=6580円
あたしが負けているけど、2人で14000円くらい使わせたのかあ。
男って大変だなあ、って思った。