0008 足立 シヲリ (44/55)
中野ちゃんの年齢には驚かされたが、はたから見たらあたしも23歳に見えるそうだ。
中野ちゃんとは、最近友達のツテで知り合ったと嘘をついた。
「次どうするー?」
時間を見たら、21時過ぎ。居酒屋にはすでに3時間以上いた。
「俺ん家で飲む?」
「あ 行ってみたい」
レイバンの発言に、中野ちゃんが3杯目のカシオレを飲み干しながら言った。
ナンパされたその日に、男の家に行くなんて嫌だが、中野ちゃんの発言で断る空気ではなくなった。
「じゃあ 行こ行こ」
オデとレイバンは早速上着を着だして、席から立ち上がろうとする。
「ちょっと待って」
あたしはそう言って、店員を呼んだ。
あたし達の所まで来た店員に、卓の上に残った唐揚げや卵焼きを指差す。
「これ 包んで持って帰りたいんですけど」
あたしがそう言うと、店員は笑顔でプラの容器を持って来てくれた。
「へえ 足立さんしっかりしてんなあ」
「あ すぐ終わるから先に会計してていいよ」
素直に感心している様子のオデとレイバンだが、中野ちゃんは不思議そうにあたしを見ていた。