0008 足立 シヲリ (38/55)
聞いてみると、オデもレイバンもあたしの家からそんなに遠くなかった。
中野ちゃんも、家が近いらしく、男たちの提案にうなずく。
あたしたちは、駅前の居酒屋に行くことにした。
あたしの家の最寄り駅から、電車で10分ほどの隣町のこの駅が、オデとレイバンの地元らしい。
あたしと中野ちゃんとレイバンは先に居酒屋に入り、自宅に車を置いて来たオデもすぐに合流する。
雰囲気のいい、洋風のダイニングバーって感じだが、通された席は座敷席で居心地は良かった。
「好きな物頼みなよ」
レイバンはそう言って、あたしにメニューを渡す。
隣に座る中野ちゃんは、メニューを凝視していた。
勝負はまだ続いている。
さっき車の中で中野ちゃんと、居酒屋で飲んだ飲み物の金額が、あたし達の勝負金額に加算されると取り決めた。
シャンパンとかワインの瓶物を頼みたいところだけど、単品の金額じゃないと互いの加算金額にならない。
何より、ボトルで頼むよりグラスの方が高くなる。
料理もみんなでつまむから、加算されない。
グラスものの酒を頼み、飲んで消化して、加算していくんだ。