0008 足立 シヲリ (25/55)
「あと話して間もないのに 言葉使いも上からなとことか」
「あ ごめん なんか雰囲気で」
やっぱ気付いてたかあ。さすがに謝るあたしに、中野ちゃんは笑顔で返す。
「いいんです!あたし足立さんの話し方素敵だと思います!」
うお。すごい方向から褒めようとするな、この子。
「けど仮にさあ 本当に奴隷になるとしても あたしは奴隷になりたくないし 負けたくないんだけど」
「負けないで下さい」
無茶だ。
「もし あたしが勝ってしまったら 足立さんへの奴隷の縛りは解放します」
「解放?」
「奴隷と主人の関係を解除するんです それで終わります」
あたしはふと、怖くなった。
奴隷になるという話は非現実的で、テレビの先の話のように聞ける。
けど、解放するという処置を聞くと、なぜか現実を感じた。
あたしは気持ちを切り替え、中野ちゃんに切り出す。
「まあ とりあえず 今は中野ちゃんから勝負を申し込まれてるから 勝負を決めるのはあたしな訳だ」
親切なのか暇だからか、それとも中野ちゃんに対する興味なのか、あたしの中にはすでに勝負を断る選択肢は無かった。