0008 足立 シヲリ (26/55)

「はい」


あたしは勝負の内容を考えてみるが、うまく思いつかない。


急に勝負って言われてもなあ。


「んー あたしに有利な勝負でも あんたは納得しないんでしょ?」


中野ちゃんはキラキラした瞳で言う。


「はい できるだけ公平で納得のいく勝負がしたいです」


正々堂々のスポーツマンシップ精神か。中野ちゃんは、見た目によらず体育会系だなあ。


なんでこんな可愛くて、いい子が奴隷になんか、なりたいとか言い出すのかねえ。


やっぱ男かな。


それにしても、公平で納得のいく勝負かあ。


喫茶店の窓の外は明るく、時間はまだ昼間。


あたしが考えていると。


「ねえねえ 君達 今日仕事休み?」


2人組の男に話しかけられた。


あたしは少しビックリしたが、次にイラっとして男達をシカトし、あえて見ないで中野ちゃんを見ていた。


中野ちゃんは驚いた様子で、男達を見ている。


どうしたの中野ちゃん。


あんたほどのルックスなら男にナンパされるなんて、パンを食べた回数と一緒でしょ?


男と女がいる限り、ナンパするバカな男は絶えないのよ?


それとも中野ちゃんはご飯派だったの?


あたしはナンパされたことよりも、中野ちゃんに対して可愛い妹を持つ姉のように心配になった。