0008 足立 シヲリ (19/55)
「実はあたしも付けてます」
「え?そうなの?」
中野さんはうなずくと、話を続けた。
「SCMは 付けた人同士で勝負をして 負けた人を奴隷にする機械なんです」
勝負?奴隷?
「へえ そりゃドラえさんもビックリだわ」
あたしは満面の笑顔で言った。
「あの 信じられないのは分かりますけど 聞いて下さい」
あたしが小馬鹿にした態度で受け答えると、中野さんは困った顔でそう言った。
確かに、彼女は真面目に話しているし、元はあたしから聞いた質問に答えようとしていた流れなので、話を折ったのは悪かった。
けど可愛いらしい中野さんを困らせるのは、少し楽しいと思った。
ていうか、中野さんと言うより中野ちゃんだな。
あたしが黙って話を聞く体勢になると、中野ちゃんはSCMの説明書をテーブルの上に置いて話を続ける。
「どうしてSCMを付けたんですか?」
「いや 酔って ノリで」
「ああ」
ああって、何を納得したんだ?納得できたのか?
「中野ちゃんはどうして?」
会ってまだ10分くらいしか経っていない、見知らぬ相手にちゃん付けだ。