0008 足立 シヲリ (18/55)

あたしはその子が差し出す説明書を受け取った。


けどペラペラめくって、すぐに返した。


「よ 読まないんですか?」


「え?読んでなにすんの?ていうか 何であたしがコレ付けてるの分かったんすか?」


女の子は少し考えた様子の後に、突然自己紹介をした。


「あの あたし中野って言います」


え?名字なの?


「あ 足立です」


とりあえずあたしも、名字で自己紹介をした。


「立ち話もアレなんで 紅茶でもどうですか?あたしがお金出しますので」


中野さんはそう言って、駅前の喫茶店を指差した。


紅茶?コーヒーじゃなくて?


ていうか大丈夫かなこの子。


高い印鑑や教材を買えとか、宗教入れとか言われたらどうしよう。


そういう感じには見えないけど。


まあいいや。今日休みだし。


「いいっすよ」


中野さんに言われるまま、あたし達は喫茶店に入った。


コーヒーが飲みたかったけど、空気的に紅茶を頼む。


テーブル席に座り、紅茶を一口飲むと、中野さんは話し始めた。


「あの 足立さんが付けているそれはSCMって言います」