0008 足立 シヲリ (16/55)
何この子。なんであたしを見てんの?
歳はあたしと同じ19から20代前半?昼間から夜系の化粧で、分かりにくい。
髪の毛は直毛をキレイに盛ってて、顔と合わせて小悪魔なキャバ嬢って感じ。
でも、なんか違和感がある。
ここは都内とはいえ、景色はしょぼい下町って感じだ。
こんな真っ昼間から、服や化粧や髪の毛をバッチリ決め、キャバキャバした格好をした彼女がいるロケーションには、何か違和感があった。
あたしなんてジャージだ。
これから仕事のキャバ嬢なら、時間はまだあるし、彼氏とデートとしても、昼間からするデート内容の格好じゃない気がする
あ、昼キャバとかかな。
けど、そんな疑問もあたしには関係ない。
口の中のSCMを外す為に、家に帰らなきゃ。
あたしは女の子から目をそらし、自分が帰る道を歩こうとした。
「あの」
背中から甲高い声がした。
多分、今のはあたしにだよね。
あたしが振り向くと、やはり女の子はあたしを見ていた。
「あたし?」
なるべく柔らかい物腰で、自分を指差して、女の子に答えた。
「はい あの SCM 付けてますよね?」
「はい?」