0008 足立 シヲリ (14/55)
目が覚めると、目の前には大量のちぢれた毛が散らかっていた。
まだ脳が起きていない、重たいまぶたで、毛を見つめる。
陰毛?
静かに混乱していたが、徐々に昨夜というか今朝のことを思い出す。
そうだ、酔った友達が抜き散らかしたんだった。
当の本人はちゃっかり、あたしのベッドで寝ている。
うわあ。口ん中マジ臭え。
酒を飲み過ぎて、あたしの口の中は水分が少なく、ネチャネチャとしていた。
冷蔵庫の前に行き、冷えた水を求める。
口の中を意識していると、すぐに違和感に気付いた。
あ、なんか付けてたんだった。
同時に、冷えた水があたしの口の中を心地よく冷やし、潤す。酔いざめの冷水は大好きだ。
部屋に戻ったあたしの視界に、開いたままの説明書が映る。
SCMだっけ?あたしは付けたまま寝たんだ。
あたしはすぐにSCMを外そうとしたが、外し方がいけないのか、なかなか外れない。
下手に外すと、アルミホイルを噛んだような不快感が歯に起きる。
「どうしたのー?」
友達が起きてきた。
「あ おはよ」
「おはよー あ 帰らなきゃー」
そういえば友達は、今日の昼には帰ると言っていた。