0008 足立 シヲリ (9/55)

その男は、夕方頃に接客した質問ドM男だった。


うお。怖!あの男じゃん。夕方から待ってたのかよ。


「な 何かしら?」


あたしは思わず、腰に手を当てた女王様ぽい姿勢で、店内の口調を続けてしまった。


ちなみに店内ではウィッグを付けているが、ウィッグを取った実際は髪のサイドを編んでいる。


今の格好も、ロリロリのドレスと違い、ジーパンにシャツにダウンの私服だ。お姫様どころの格好じゃない。


男は一瞬、そんなあたしの格好を見るが、次に構わないというテンションで、あの箱を差し出した。


「これ 受け取って下さい!ね!ね!」


男はかん高い声で、あたしに迫り寄る。


「ちょっ!ちょっと!警察呼びますですわよ!」


あたしはテンパって、自分でも何を言っているか分からなかった。


「着けてよお!お願いだよお!」


子供の様なテンションで、あたしに迫る男に、こんな状況にも関わらず笑いだしてしまいそうになった。


周りには繁華街を歩く人が多数いるが、はたから見たらプレゼントを渡そうとする男と、戸惑う女の姿だ。


笑って見ている人までいる。


言っとくけど、お前らが思っている以上にこの男はテンション高えよ。