0008 足立 シヲリ (8/55)

男は一気にテンションが下がり、残念そうにSCナンチャラをしまった。


んな物受け取って、喜んで着ける女なんているのか?


実は男の顔はそんなに悪くないんだよなあ。なんか整ってるんだけど、着てる服や髪型がもったいない感じ。


太ってもないし、それどころかうらやましいくらい痩せている。


よく見たら肌もきれいだし、歳もそんなに老けていない。


もちろん、微塵も好みじゃないけど。


なんで、こんなキモオタな雰囲気を出しているんだろう。


あたしがそれほど観察する余裕があるほど、男は低いテンションを維持し、口数も少ないまま帰って行った。


深夜手前に、その日もあたしは仕事を終え、店から出る。


「お疲れー」


他の女の子に挨拶をして、店から駅に向かう。


外はまだ寒い、2月の気温。


明日は休みなので、今夜は駅で待ち合わせをしている高校時代からの友人と合流し、あたしの家で酒を飲むことになっていた。


店から少し離れた場所を歩いていると。



「シヲリ姫」



あたしが進む繁華街の道の横から、男が出てきた。