0007 新宿 セイヤ (24/36)

俺の口の中のSCMから、アラームが鳴る。



しかし、今までと何か違う。



違和感は感じたが、間違い無い。本物だ。



「SCMは24時間以内外しても問題ない」



ジュリアは悲しそうな瞳で、そうつぶやく。



「外して近づけば 鳴らない」



そうか。ジュリアはSCMを外していた。だから、俺に近づいてもアラームは鳴らなかった。



「ジュリア お前どこでSCMを」



「セイヤ あなたとは付き合えない」



俺の質問に答えないまま、ジュリアは目を瞑り、下を向いてつぶやく。




「ジュリアはもう
 リュウオウ様の奴隷なの」




ダンプカーに跳ねられたような衝撃と、静か過ぎる失恋の絶望が俺を同時に襲う。




  『 カチッカチカチ 』




「あ え?」



突然鳴った、口の中のSCMに俺は驚き、混乱した。



今のは、負けた時の音じゃ。



「俺は負けて ない ジュリアSCMを外して おぅえ」



突然のめまいと、頭痛と嘔吐感に襲われ、俺はソファーに座ったまま吐いた。



不意にユウガの言葉を思い出す。



重要なのは敗北感。



そうか。失恋と敗北感はよく似ている。



俺の恋心は ジュリアに負けたのか。



ジュリアと繋いだ手は、すでに離していた。