0007 新宿 セイヤ (22/36)
「あの日に 別れた理由は話せば長くなるがちゃんと説明する」
細長い指の、小さな手の感触は間違いなくジュリアだ。
俺は自信と確信と祈りを込めて、ジュリアの瞳を見ていた。
「戻って来てくれ」
「全部 俺が面倒見るから」
「また一緒に暮らそう」
俺の言葉に、ジュリアは唇を震わす。
俺はジュリアの小さな挙動を注視し、希望を感じていた。
この反応なら大丈夫。俺達はヨリを戻せる。
「あのね」
そのジュリアの初めのたった一言で、俺はすぐに絶望した。
告白後の女の「あのね」は断られる可能性が高い。
「頼む!お願いだ!」
俺はジュリアに話の続きをさせないつもりで、とにかく押そうとした。
しかしジュリアは、笑顔のまま俺の手を握り、残念そうに下を向く。
「セイヤ 聞いて セイヤと別れてから親戚の家に住ませてもらって」
ジュリアは片手だけ、俺の手を離した。
手を離したら負けと言ったが、無性に悲しかった。
「ジュリアは そこでリュウオウ様と出会ったの」
「りゅ?」
りゅうおうさま?