0007 新宿 セイヤ (18/36)
ったく。あいつまだ十代だったな。
何がトゥースだ。トゥースって何だよ。
俺はその場から歩き始め、店内を見回せる場所に来た。
クルリと店内を見回し、さっきまで空だった卓に座る、1人の女を見つける。
俺は壁際のソファーに座る、その女に近づいた。
アヤカだったら、真っ先に髪の毛を引っ張り、店から叩き出すつもりだった。
しかし、その女はアヤカではなかった。
女の顔を見た瞬間。
女が誰か、気付いた瞬間。
店内の景色が、ゆっくり動いているような感覚になる。
店内で流れるアップテンポな曲も聞こえなくなり、世界にはそいつと俺だけになった。
一歩ずつ近づく度に、心臓が高鳴り、早く彼女の側に行きたくて、今にも走り出しそうになる。
女は俺の姿に気付くと、見覚えのある微笑みを見せた。
たった1ヶ月なのに。
昨日会ったばかりな気さえするのに。
懐かしさで泣きそうになるんだ。
「ジュリア」
そこに座っていたのは、アヤカのせいで別れた俺の彼女だった。