0007 新宿 セイヤ (17/36)

ユウガ達と出会ってから、1ヶ月が経った。


3月も後半に入り、外は寒い日と暖かい日が交互に訪れる。


その頃には、歯の裏のSCMを舌でイジるのが癖になっていた。


俺はいつもの様に店に出勤し、新規の客に着いていた。


「っしゃいませー!」


店の出入口の方から、新しい客が入店した時のかけ声がする。


俺も一瞬だけ出入口に顔を向けかけ声を返したが、その日はたまたま、入って来る客が見えない卓にいた。


かけ声からすぐに、入って数ヶ月の新人が俺のもとにやって来て、オロオロしだす。


「あの」


「はは どうした?すべらない話でもあるのか?」


「あはは」


俺の冗談に、客が笑う。


「いや あの 前に来たセイヤくん担当の子が お金無いけどセイヤくんにとか」


俺は新人の言葉で、アヤカを思い浮かべた。


あの女。


「お前 ちょっとこの卓に着いてろ」


俺は立ち上がり、後輩の横をすれ違い様に、耳打ちした。


そしてすぐに立ち止まり、また戻って耳に話しかける。


「それと 言えない話や金の話は とりあえず耳打ちにしろ 2ヶ月もいれば分かるだろ」


「あ トゥース!」