0006 豊島 アヤカ (62/64)
けど次の瞬間には、その一言で全てを理解してしまった。
2人同時に近づいたアラームは、1人分しか鳴らない。
あたし達が反応したアラームは、ユウガのSCMのみ。
それだけで、エイアもSCMを付けていると思い込んでいたんだ。
さらに、エイアはSCMを付けていないから、奴隷にならない。
だからチームの負けでも、SCMを付けたユウガは敗北感を微塵も感じなかった。
この勝負はユウガにとって、敗北感を感じることが、ありえない勝負だったんだ。
確かにほとんどが、説明書をよく読めば推理できないことではなかった。
「彼女は奴隷云々に関係ないから とにかく僕を勝たせる存在としてここに呼んだ」
ユウガは姿勢を変え、あたし達に対して前のめりになって説明する。
「僕達が事前に話していたことは どんな勝負になっても まず僕を勝たせることだった」
「だから残った者が負けというルールも提案したのか」
ユウガは、そう発言したセイヤを見る。
「そう SCMを付けていないエイアの存在自体が 僕の最強の保険だった」
当のエイアは、アセロラ色のグラスを手に持ち、氷をカラカラ回しながらユウガの話を聞いていた。
セイヤはすぐにエイアが置いたグラスを受け取り、酒を作る。
「どんな勝負を君達が提示しても 僕にはその保険があった」
セイヤほどのホストが、女の子のお酒が減っていたことに気付かないほど、ユウガの話し方は引き込まれるものがある。
「提案を適当に考え過ぎていた」
セイヤは悔しそうにつぶやき、エイアの前にグラスを置いた。セイヤは悪くない。
こんなの誰にも分からないよ。