0006 豊島 アヤカ (63/64)
「その保険への信頼と存在が 僕に敗北感を感じさせない理由なんだ」
ユウガはエイアを1度見て、次にキラキラした黒目をあたし達に向ける。
「すごいんだよ彼女は!」
今までの知的な雰囲気から打って変わり、ユウガはまるで少年みたいに興奮した様子で説明する。
そのギャップに、こんな状況でもあたしがドキっとなるほどだ。
「勝負がイッセーノと教えられ数分で始まった勝負中に 僕に指の数を教える合図を考え 実行してくれた」
ユウガはそう言うと、卓の下にある自分の足元を覗き込んだ。
釣られてあたしとセイヤも、卓の下を覗き込む。
そしてユウガは、靴で卓の柱を コッコッ と叩いた。
「こうやって僕の足を叩いて 自分が出す指の数を 教えてくれたんだ」
「いや逆に それくらいしか思い付かないしさあ」
エイアは恥ずかしそうに、ユウガがする自分の話を終わらせようとする。
こいつらもお互いの指の数を把握していたんだ。
エイアはセイヤが考えたイカサマより、遥かに分かりやすくて確実なものを一瞬で考えていた。
頭がいいとか回転が早いとかじゃない。
この女は頭が柔らかいんだと、あたしは感じた。