0006 豊島 アヤカ (60/64)
「僕は説明書やネットにある数少ない情報源から 以上の話を推測した」
ユウガは穏やかな笑顔で続ける。あたしの興奮した感情は、ユウガの話を聞けば聞くほど冷めていくのが分かる。
「そして 今日したこの勝負でその予想は当っていた事が分かった」
「SCMの勝負は 精神の戦いなんだ」
ユウガはエイアに視線を移す。説明をする時のユウガの挙動は、まるで教師のようだった。
「言ってなかったけど 君達との勝負が僕には初めての勝負だった」
ユウガは話を続けた。
「しかし初めての勝負だからこそ 色々と試してみたかった」
ユウガは説明書に視線を移し、適当にペラペラとページをめくる。
「4人対戦による作用や 勝負の勝敗の定義は感情が優先か ルールが優先か」
説明書から、あたしとセイヤの方へ顔を向ける。
「結果 確信できたことは 『現実の勝敗』よりも『敗北感』という感情が奴隷にさせる引き金になること」
勝敗よりも 敗北感が奴隷になる引き金。
「もちろん 普通にルール通りに負けただけの敗北感で 十分SCMは宿主の敗北感を認識するだろう」
ユウガはそう付け加えた。