0006 豊島 アヤカ (59/64)
イカサマはしたが、SCMの設定を守り、ゲームのルールも全て守った!
「ルールは1番負けた奴のチームが奴隷になるって!」
あたしがそう叫ぶと、呆然とした状態から、落ち着き始めた様子でユウガはゆっくり話す。
「ああ その通り だけど僕達は負けたことになっていないようだ」
ようだ?ようだってどういうこと?
あたしは背筋の血が引き、指が冷めていく不安を感じる。
「SCMは信じられない技術で出来た機械だが 実はそんなに複雑にできていない」
ユウガはエイアに渡された説明書を、手に持ちながら話し始めた。
「SCMは僕たちの状況を認識しているようだが 認識しているのはせいぜい2つ」
ユウガはセイヤを見ながら言う。
「1つ目は 設定通り勝負が始まったこと」
次にあたしを見た。
「2つ目は持ち主の 敗北感」
「重要なのは現実の状況じゃない」
「そこから感じたSCM宿主の感情なんだ」
真剣な顔つきから、ユウガは少し緩んだ笑顔になる。
「まあ要するに 負けたと思わせれば勝ち」
負けたと思わせれば勝ち。
「逆に 微塵も負けたと思わなければ奴隷にならない」
「微塵も負けを感じなければ」
あたしはユウガの言葉をつぶやき、同時に思った。
じゃあ。ユウガとエイアはなんで負けを感じないの。