0006 豊島 アヤカ (54/64)
あたしがハッと我に返ると、エイアが大きな瞳であたしを見ていた。
泥の闇の悪夢にいたような感覚から、あたしは暖光で輝く、豪華な装飾のホストクラブに引き戻される。
そうだ。今は勝負の最中。
セイヤと自分の今後の人生を賭けた、SCMの戦いの最中だ。
「イッセーノ!」
エイアはまた大きな声で言った。
エイアの瞳は真っ直ぐに、あたしを見ている。
大きくてホリが深くて、キラキラした色素の薄い瞳があたしを見ている。
エイアって本当にキレイ。
「3!」
エイアのかけ声と同時に、あたしは指をピンと出した。
エイアは両指を出していた。
あたし達の指の合計は3。
エイアは正解した。
そっと片腕を下げるエイア。
そうだ。あたしはこの女がうらやましかったんだ。
見た目だけで分かる、エイアの人生の輝きがうらやましかったんだ。
ユウガみたいな男前との絆や、やりとりがうらやましかったんだ。
あたしはエイアに、自分の容姿や人生のコンプレックスを感じていたんだ。
そんな自分の弱さに気付き、認めた瞬間。
折れかけた、あたしの心に強い光が生まれたのを感じる。