0006 豊島 アヤカ (33/64)
「それで 勝負の件ですが」
ユウガが先に口を開くが。
「それに関しては さっきも言った通り お断りします」
セイヤは笑顔でそう返した。けど目は笑ってない。
あたしはすでにメールを送り終わり、携帯をソファーに置いていた。
携帯をイジってる間、エイアって女だけがあたしを見ていた。
直後に、セイヤのポケットからバイブの振動が鳴る。
けど、セイヤは携帯を見ない。
あー、しまった。
セイヤは接客中に携帯を見ないんだった。
バイブの間隔でメールだと分かってるはずだし、後で見る気なんだろう。
「セイヤ 携帯鳴ってるみたいだけど」
「ああ けど今は」
「あ 気にせず見てください」
ユウガがナイスな気遣いをしてくれた。
「失礼」
セイヤはそう言うと、一瞬だけ携帯のディスプレイを開ける。
たった数秒だけ見ると、すぐにユウガに顔を合わせた。
「すみません 部下のキャッチの報告でした」
ユウガは「いえ」とだけ言って微笑んでる。
良かった、無事伝えられた。
けど、考えてみたら伝えたところで、状況は何も変わらない。