J000 世田谷 ツバキ (133/135)
ほぼ同時に到着した中央たちとICUの前で合流したとき、リュウオウが僕に言った。
「……ねえ、ここから手術室まで何メートル?」
さっき見た病院の見取り図では、そんなに離れていない。ひと部屋挟んだ辺りだから。
「……15メートルもないはずです。どうしました?」
「駐車場もこの裏だったよね。すぐに、全員ここに呼んだほうがいいよ」
リュウオウの言葉から数十秒後には、江戸川リュウオウ、新宿セイヤ、足立シヲリ、中野タイジュ、豊島アヤカ、練馬ヨシムネ、北ミナミ、渋谷サチ、世田谷ツバキ、台東フジコ、杉並ルシエ、中央アタル、目黒マサカズ、文京ゼンイチ、大田ユウガ、千代田マリヤ。
板橋ゲッコウ、タキオがいるICUの手前に、多すぎる人数が揃った。
ズシオウマルは車に残して来たというが、荒川エイアの手にはあの犬の分のSCMもあった。突然吐き出したという。
全員が、口元から粉々になったSCMを吐き出していた。皆が皆、同じ体験をしたという。
長イスにナプキンを敷き、その上にSCMの欠片を集めた。
「タキオの容態はどうなん?」
サチの問いに、フジコが顔を上げた。
「今は分からないけど、出血と脊髄損傷で、ここに到着する直前に心肺停止していたわ。よっぽど計画的に狙わないと、こんなことにはならない。助かる可能性は極めて低い」
「これって、まさか……」
北ミナミに続き、荒川エイアが僕を見た。
「あたしたち、解放されたの?」