0006 豊島 アヤカ (29/64)

わざとらしい大きめの声でそう言うと、ヘルプ君を立たせ、あたし達の卓に男女を招いた。


店内の空気は一気に和み、みんな会話を再開させる。


うん。これこそ、No.1の力。セイヤマジックだ。


セイヤはソファー側に勧めたが、男女は丁寧に断り、ヘルプイスに座った。


ソファー側にあたしとセイヤが座る。


座って向き合った瞬間、女の方が男に言う。


「マジ恥ずかしかったんだけど」


男は笑顔で謝り、次にセイヤに「ありがとう」とお礼を言ってきた。女も気まずそうな上目遣いで頭を少し下げる。


女の容姿は気に入らないくらいキレイだけど、SCM所有者だと警戒していた反面、拍子抜けする腰の低さだ。


セイヤが何かを言う前に、肌の黒い男が自己紹介を始めた。


「大田ユウガです フゥワ!」


下らないギャグを交えた自己紹介だが、男のルックスと雰囲気であたしも隣の女も笑った。


セイヤは優しく微笑んだまま、女の方に聞く。


「お名前を頂いてもよろしいでしょうか?」


「お名前は差し上げられませんが エイアって言います」