0006 豊島 アヤカ (30/64)
あたしはエイアと名乗った女の返しに、イラっとしたが、セイヤはさらなる笑顔で「確かに」と言った。
「知っているようですが 僕はセイヤと言います」
なによセイヤ。こいつらはSCM所有者なんだから営業しなくていいよ。
「ユウガさん エイアさん 今日はどのようなご用件で?」
セイヤはさりげなくあたしの紹介を飛ばして、本題を聞き始めた。
相手はあたしの名前を知っているけど、こちらからは教えない。あたしに対する、さりげない優しさ。
うん、これこそセイヤのペース。卓に座ったセイヤは無敵だ。
セイヤは、あたしもまだ名前を覚えきれていない、次世代的な覚えにくい二人の名前を一瞬で覚え、ホストとしてテレビ番組の司会者のように、完璧な会話の主導権を握る。
「申し訳ないけど最初に言った情報交換って言うのは少し嘘です」
え?
「単刀直入に言うと 勝負をしに来た」
たしかユウガと名乗った男のその言葉で、一気にその場が凍りつく。
あたしはセイヤを見たが、セイヤは微笑んだままユウガの話を聞いている。
ユウガは隣に座るエイアを平手で差した。
「彼女 エイアと僕はフリーのSCM所有者です」
フリーのSCM所有者って、奴隷にも主人にもなっていないSCMのことか。
「僕達は 仲間として手を組んで あなた達に勝負を挑みに来ました」
爽やかな笑顔で発言をするユウガに、エイアという女も黙ってうなずく。