0006 豊島 アヤカ (27/64)
確かに、こちらが意識したら、あたし達がSCMを付けているとバレてしまう。
多分セイヤは客が入店しても、すぐに自分が着いた客の相手をする癖を付けているのだろう。
この場ではそれが功をそうした。
得体の知れないSCM所有者に、真っ先にSCMを付けている事をバレるなんて危険だ。
「あ お客様」
しかし、入店した男女は案内のホストを無視し、真っ直ぐにこちらへ向かって来ているのを感じる。
『 キュイ──ン 』
すぐに3回目のアラームが鳴った。
間違いない、あたしたちに近づくこいつらは。
「この卓がいい 同席は駄目かな?」
周りにいるホスト君や客からしたら、非常識な男の言葉だったが、あたしは背筋が凍るほど恐ろしかった。
セイヤは座ったまま1度男を見て、次にあたしを見る。
あたしは唇を少し開けたまま、首を振った。
「申し訳ありませんが 他のお客様のご迷惑になるので」
セイヤは立ち上がり、男に言った。立ち上がったセイヤを、あたしは素敵だと思った。
しかし、男はセイヤを目の前にして言う。
「セイヤさん?」
「はい」
次にあたしを見て。
「豊島アヤカさん?」
「え?はい」