J000 世田谷 ツバキ (98/135)

荒川エイアがタブレットの男と、渋谷サチを交互に見る。


「あいつが?」


「ウチの前の主人、港タキオ!」


僕も名前だけ知っている。購入者リストにいた男だ。比較的、販売初期のほうでSCMを購入した者だ。


「あいつ、あいつだ……!」


僕の後ろから、声。振り向くと、青ざめた顔の杉並ルシエがいた。


フジコが彼女の顔を覗きこむ。


「……何? どうしたの?」


杉並ルシエは夢中でタキオの顔を指差した。



「あいつが! あたしを2度目に襲った男だ! あいつだよ!」



「……それ、本当?」



彼女の様子は尋常ではなかった。指先は震え、血の気が引き瞳孔が開いているように見えた。直後に膝をつき、目を充血させて子供のように訴えた。



「忘れもしない! あいつ! あいつだよォォ!」



杉並ルシエの叫びが部屋中に響いた。



「ああ! あっ! ぅアアア! ハッ! フ、フッ」



彼女は自身の髪を掻き毟り、半狂乱となった。呼吸の様子がおかしい。すぐに、フジコが彼女を抱き締めて背中を撫でた。



杉並ルシエをレイプした2度目の集団。



その主犯が彼、港タキオだった。