J000 世田谷 ツバキ (90/135)
「……何かしら裏があるとは思ったけど。どういうカラクリかしら?」
台東フジコの問い。僕のSCMは確かに勝負を開始した。
大田ユウガは荒川エイアを見る。
「彼女はSCMをつけていない」
「ほう。では、僕は一体誰と勝負をしたのかな?」
僕は周りの人間を見渡した。
大田ユウガは「さあ、誰だろうね?」と言って微笑んだ。
この、クソガキ。
僕は下の奥歯に埋め込んだJを、上の奥歯で擦った。そして言った。
「負けろ!」
『カチッ カチカチ』
「……う、おぼ」
鳴った。
頬をパンパンに膨らませ、えずいたのは──
──大田ユウガだった。
「ユウガ!」
跪く彼の背中を、エイアがさする。