J000 世田谷 ツバキ (89/135)

周辺には散乱したガラス。


コップにライターの中身、ライターオイルを入れ、そこに火をつけた。


そして、着火。炎の熱によってガラスは割れた。


大田ユウガはテーブルの隅で、コップを逆さにし、その中へライターガスを注入していた。


しこたまガスを溜め込ませ、着火し、熱で割る。あのバケツの水は、ダメだった場合の保険、といったところか。


大田ユウガが荒川エイアを見た。彼女は残念そうに首を横に振った。


負け、確定。


葛飾アンジュも既に叫ぶのをやめ、リュウオウに視線を合わせていた。


「呆気ねえ……」


ミナミくんの呟き。そう。


「勝ったのは僕だ! この、僕だ!」


だが、周囲は静寂に包まれている。様子がおかしい。


僕は勝った。荒川エイアとリュウオウは負けた。


僕はすぐにGPSを開いた。が、反応は無い。


……どこか予想はしていたが。


僕は荒川エイアとリュウオウを見据えた。


「……負けを認めたまえ」


「無駄だよ。彼女たちは負けない」


直後、大田ユウガがそう言った。