J000 世田谷 ツバキ (86/135)
彼女はそれはもう、嬉しそうに「はい!」、と言って部屋の中央へはせ参じた。
この勝負の提案者はリュウオウ。提案の直前、彼はジュリアに何か耳打ちをしていた。
何か入れ知恵をしたのだろう。
だが僕が速攻に勝つ。
3つのコップを集め寄り、それぞれの派閥でコップに問題がないことを確認する。
リュウオウが確認したコップを大田ユウガへ渡しながら言った。
「出場者は互いに背を向け、他の派閥が見張りにつく」
やり方を共有できないようにし、監視者をつける。そういうことだ。
世田谷派閥は、僕、ツバキ。
リュウオウ派閥は、葛飾ジュリア。
荒川派閥は、大田ユウガ。
皆、ある程度はこの勝負の勝利への糸口を掴んでいるようだ。
「できるの? 実際」
台東フジコが小声でそう訊いてきた。
「可能です」
勝負開始直前。僕は中央アタルの隣にいた。
「……ライターを」
そう言うと、彼は何も言わずにライターを渡してきた。