J000 世田谷 ツバキ (85/135)

ユウガは、どこか優しい微笑みでエイアを見つめていた。


「……僕は一度、君を裏切った。ズシオウマルアヤカにも酷いことをした。そして今は君の奴隷だけど、どうか僕を信じて欲しい」


2人の間にある妙な空気を中心に、部屋が沈黙に包まれる。


先ほど。ユウガはエイアに対し、「君の心はギリギリ」と言った。


この三回戦の勝負に対して、彼女の派閥は一勝もしていない。そんな緊張感に対する労わりか?


……いや。皆の前でそれを吐露するほど、大田ユウガは馬鹿ではないと聞いている。


ユウガとエイア。2人が数秒間見つめ合ったあと。


「……分かった。うちの派閥からは大田ユウガを推薦する」


荒川エイアがそう応えた。


「……君の前だと、僕は輝ける」


大田ユウガはそんな小声とともに、前へ出た。


「リュウオウは?」


フジコの問いに、リュウオウは僕たちを見たままこう言った。



「ジュリア、行け」



葛飾アンジュの出場だ。