J000 世田谷 ツバキ (83/135)

確かにリュウオウの「フジコは叫ぶ」に対し、フジコは「キャッ」と叫んだ。


「……リュウオウの勝ちだ」


ユウガの言葉で、確定した。


「あーあ」


フジコも立ち上がると、焦げた上着を脱ぎ下着姿になった。


誰もが一瞬、息を飲んだ。彼女の黒いブラジャーや、その谷間に注目してたいからではない。


フジコの二の腕には漢字の刺青と、鬼女、そして火蛇(ひどら)が描かれていたからだ。


右腕の鬼女は火傷のためか、歪んで見えた。


フジコはルシエの前に立ち「上着貸して」と言った。


ルシエは慌てて、羽織っていたジャケットを渡した。


こうして、2回戦はリュウオウ派閥の勝利で終わった。


1回戦は僕、世田谷派閥の勝利。


2回戦目はリュウオウか。僕は荒川エイアを見つめた。


どうする? エイアくん。


「それで? 次は?」


濡れた布を自身の腕にあて、フジコはリュウオウを見ていた。


リュウオウは床に落ちていたガラス製のコップを拾い、それを掲げてこう言った。



「触れずに割れ」