0006 豊島 アヤカ (24/64)

同棲して3日目。


あたしは久しぶりに、セイヤが働くホストクラブへ行った。


料金はセイヤのおごり。この数日間、掃除や料理や洗濯をした自分へのご褒美だ。


男ものの香水と暖かい店内。久しぶりのホストクラブの匂いと雰囲気は、あたしへ興奮と緊張感を与える。


「っしゃいませー!」


元気のいい若いホスト君たちのかけ声で、あたしの腹の下が興奮する。やっぱ何度来てもこの空間はいい。


あたしは横目でチラリと端の卓を見る。


店内の卓に案内される時、視界の外れに時間をズラして出勤したセイヤが、他の客を接客している姿が見えた。


前までは、セイヤが他の客を接客している姿を見たら、冷静を装っても心のどこかで焦りや嫉妬を感じていた。


けれど今は違う。


最近は家にいる間はずっと一緒にいたから感じていなかったが、仕事中のセイヤは一流のホスト。


客との距離感、付けてる香水、会話の流れ、火の付け方、酒の作り方、さりげなく前掛けを直すタイミング、視線は唇。


全ての仕草も表情も、神がかり的な魅力で客を魅了させる。