0006 豊島 アヤカ (23/64)

そりゃ人間だから仕方ないけど、セイヤが大をする音をダイレクトに聞くなんて嫌だ。


あたしはどうしたらいいのか分からなくなり、とりあえず皿を洗うのを止め、テレビがある部屋に行って携帯をイジっていた。


スッキリした顔でトイレから出てきたセイヤに、あたしは聞く。


「ねえ 引っ越す予定ないの?」


「え?いや ないよ」


「そう」


セイヤが何でも言うことを聞くのは知っていたが、さすがにトイレの音が聞こえるから引っ越したいと言うのは。


あ。


「ねえ 引っ越したいから物件探しておいてあげる」


「え?え?どうして?」


今までで、1番ビックリした様子のセイヤ。


「何でもいいでしょ!とにかく引っ越すから!」


「分かった」


さすがにわがまま過ぎたとは思うけど、考えてみたらセイヤのトイレの音が聞こえるということは、あたしのトイレの音までダイレクトに聞かれてしまう。


水を流して誤魔化す音ですら聞かれたくない。


まだ2日目だけど、あたしが想像していた同棲生活とは何か違う。