J000 世田谷 ツバキ (72/135)
「あ、今朝なに食べた?」
「で、シンノスケのこと教えてくれる?」
サチ、フジコと順が周る。
渋谷サチは見た目からしてキャバクラ嬢。
接客業の経験から、会話における多少の引き出しは持ち合わせているか。
視界の外れでは、耳を塞ぎ、呻(うめ)く新宿セイヤがいた。
リュウオウは渋谷サチに目を向け、こう言った。
「なんでもいいから、なにか言ってみて」
ほう、これはいい。そうきたか。
瞬間、サチは両手で口鼻を覆った。
「ブエックショ! あ、ごめん聞こえんやった」
渋谷サチはクシャミで応えた。
フジコが前髪を耳にかけた。
「最近お気に入りのアプリがあるの」
見ているこちらは思考する余裕があるものの、当人たちは早口になっている。
既に何周もしているなか、無理問答は加速し、参加者の心をせわしなくさせる。
「奴隷から解放される、3つ目の方法知りたい?」