J000 世田谷 ツバキ (70/135)
だが、リュウオウは動じなかった。
「そのシンノスケって人のこと、知りたいんだけど」
それどころか、渋谷サチがした、さっきの問いに言葉を返した。
ほう。こういう手もあるのか。攻撃を攻撃でそらすか。
渋谷サチの唇が思わず、「え、あ」と動いたのが分かる。
いいよォ、コレッ! 無理問答ォ! 面白いよォ!
さすが江戸から伝わる言葉遊びィッ!
ここで渋谷サチがシンノスケについてを語れば終わる。
「ど、どう? この髪、キレイやない?」
彼女は紅い髪を突き出した。
動揺は感じて取れるが、順番は無事、フジコへと周った。
「ねえ、リュウオウちゃま。私もシンノスケのこと知りたい」
「させたよ、妊娠」
一周前の会話を、リュウオウが拾った。
「がああああああああああ!!」
直後、叫び声が響いた。
見ると、新宿セイヤが頭を抱え込み、地団駄を踏んでいた。