J000 世田谷 ツバキ (69/135)
普段は生命感のないフジコの頬が、赤みを帯びた。
火の灯りも手伝い、気のせいだろうか。
「リュウオウって守銭奴よね」
フジコはリュウオウの悪口を放った。渋谷サチの投げかけに対して。
リュウオウは澄んだ瞳でこう言った。
「13×16の簡単な答えの出し方、知りたい?」
うぬ。ちょっと知りたい。
「あいつとの出会いはね、ウチのことナンパしてきたんよ」
「リュウオウちゃまって、妊娠させたんでしょ? ジュリアを」
「え?」
疑問の声をあげたのは、シヲリだった。中央アタルも眉をしかめている。
当の葛飾アンジュは、気まずそうだが、リュウオウの返答に釘づけだった。
僕は思わず笑った。
フジコ、攻めるねえ。
新宿セイヤの震える拳に、僕のなかにワクワクした感情が芽生えた。