J000 世田谷 ツバキ (67/135)
「ほう、これはこれは。リュウオウ様自ら?」
腫れぼったい黒目が僕を見上げる。
「問題ないでしょ?」
「リュウオウ様! アンジュが出ます! 命令……してください。アンジュに方向をください!」
そのとき、葛飾アンジュがリュウオウの目の前で膝を着いた。
リュウオウは、彼女の目を見ないで言った。
「ダメだ。お前はフジコと相性が悪い」
葛飾アンジュは何も言えなくなった。
……確かに、リュウオウ派閥での適合者は彼本人しかいない。
「ですが、これでリュウオウくんが負けてしまうと、ねえ?」
この2回戦でリュウオウが自ら負ければ、リュウオウは敗北する可能性が高い。
リュウオウは鼻を左右に、クイクイと動かした。
「グループ戦だ、1位の奴が決まるまで、負けたと僕は思わない」
そういう考え方もあるか。だが、想定でしかない。定義は存在しない。
何が起きるか、僕にも分からない。