J000 世田谷 ツバキ (66/135)

「ああ? ウチ?」


「ほう」


フジコが指名したのは紅い髪に日焼けした肌の女、渋谷サチだった。


金のアクセサリーをあしらった、肩の見える黒い服を着ている。


荒川エイアが彼女を見た。


「……できる?」


同時に、台東フジコが上目遣いで、紅髪の女を見上げた。


「ビビッてんの?」


注目を浴びた彼女は、真っ直ぐに台東フジコを見つめ、荒川エイアへ視線を滑らせた。


「……やる、ウチはやりたい」


「分かった。あたしのとこからは、彼女、渋谷サチを出す」


「結構」荒川エイア派閥は、渋谷サチの選出だ。


渋谷サチがイスに座ると、フジコの目線は真っ直ぐに少年を捉えた。


「リュウオウ派閥は?」


「僕がいく」


「え?」


名乗り出たのは小さな巨人、江戸川リュウオウ本人だった。


主人自らが出場するリスクを、吹き飛ばすか。おもしろい。