J000 世田谷 ツバキ (60/135)

「ぅぐっ」


そして、フジコも僕の隣から消えた。


フジコは、エイアが飛び出すのを予知していた。


「シット!」


「ギャゥ!」


彼女はアーデルハイトの時を止め、エイアの腕を制し、つま先でズシオウマルの首を踏んだ。


「失格よ? エイアさん、痛っ」


「っざけんな!」


エイアがフジコの足を蹴る。


「失格でいいから! 早く手当てさせて!」


「それって、2回戦目も3回戦目も辞退して負けを認めるって意味?」


「違う!」


フジコとエイアの間で、2人の重なった腕が震える。


「せっかく近くでお話できるんだから、そんな焦らないでよ、ねえズシオウマルさん?」


3台の車と1台のバイク、14人の人物がドーナツ状に囲み、その中心で2匹の犬と2人の女の動きがきっ抗した。


ブアメートの血。ここからが本番だ。