J000 世田谷 ツバキ (41/135)
リュウオウは、相変わらずの無表情で僕を見た。
「じゃ、ゼンイチが僕のチームからの選出で。そっちはフジコ?」
「いいえ」
トランクは既に、フジコによって開けられている。
「うがあああああああああああああ!!」
文京ゼンイチの雄叫び。
トランクから飛び出してきた獣が、彼の喉へ噛みついた。
「なんだコイツぁよおお!」
四足の獣がトランクから飛び出し、主人をいじめる敵に噛みついたのだ。
「金色の瞳……?」
足立シヲリの言う通り、犬の瞳は薄暗いなかで金色に煌めいていた。
「何だよアレ……」
見知らぬ女がいると思ったら、中野タイジュか。
「ドーベルマンだ……フォーン種の……」
荒川エイアがそう言った。
「彼女の名はアーデルハイト。彼女が、僕の派閥からの出場者です」