0006 豊島 アヤカ (20/64)
8畳ほどの部屋に不釣り合いな、大画面テレビにゲームとDVD。ノートパソコンもある。
壁にはレゲエ調の旗が飾ってあったり、なんか男の子って感じ。
けど、あたしはすぐに壁際の鏡台へ目がいった。
鏡台には、明らかに女性ものの化粧品や香水、コテもある。
鏡台の周りには海外セレブのゴシップ誌。直感的に、あたしは真っ先へクローゼットへ向かい、扉を開けた。
「あ」
セイヤの声と共に、あたしはさらにクローゼットの中のラックも開ける。
そこには女性ものの下着や、服もあった。
不自然に空いたハンガーもあったが、夏物の服はある。
「なんで前の女の物が残ってるの?」
セイヤは目をそらし、髪をイジりながら言う。
「急だったから とりあえず新しい部屋が見つかるまで 友達の家に行ってもらって部屋が決まってから荷物を送るんだ」
あたしはセイヤを睨む。
「実家にでも送ればいいじゃない」
「いないんだ その子 親」
一瞬の間の後。
「じゃあ捨ててよ」
「え?」
「いいから捨ててよ!目障りなんだよ!」