0006 豊島 アヤカ (19/64)
それから数日後、セイヤが彼女と別れたと報告してきたので、セイヤの家に住むことになった。
セイヤが住む、こぎれいなアパートが、これからのあたし達の愛の秘密基地。
この数日間、あたしは夢の様な日々を想像していた。
セイヤは完璧なホストだけど、男の子だからきっと部屋は汚くて、あたしがすみからすみまで掃除してあげなければいけないの。
彼の為に毎日料理を作ってあげて、青空の下で洗濯をするあたし。
そんなあたしを後ろから抱きしめるのは、もちろんセイヤ。
家事をする女の姿に、男はムラムラするって雑誌に書いてあった。
あたしの人生には、男の前で家事をする場面なんてイメクラで働いていた時しか無かった。
けど、今日から本物の同棲が始まる。
セイヤの後ろから、まず第一歩、部屋の中に入る。
部屋の中はとてもきれいで、それはもう掃除の必要が無いほどのピカピカのフローリングだ。
あたしの中の母性的な熱が、5℃ぐらい下がった。
けど香水とお香が混ざったみたいな、何とも言えない、いい匂いがする。