J000 世田谷 ツバキ (32/135)
「それに、これからやる勝負に、あたしは興味がある」
僕は葛飾アンジュから、荒川エイアに視線を移した。
「勝負?」
「そう、あんたのJ-SCMって、主人SCMには効かないんでしょ」
「ほう。よくご存知で」
少し、ヒントを漏らし過ぎたか。
続いて、小さな影が前に出た。
「恐らく、SCMそのものは僕たちの物と一緒。ジャッジメンととかいうふざけた機能は、歯にでも仕込んだ別の概念でしょ」
「すごいねリュウオウくん、花丸あげます」
江戸川リュウオウ、やはりSCMを熟知している。
恐らく、墨田教授にも調節できなかったブラックボックスの存在にも気づいたのだろう。
確かに、僕のSCMそのものは他のSCMと何ら変わらない。
Jの正体も、奥歯に埋め込んだ別の装置。
荒川エイアがタバコを取り出すと、驚いたことに、練馬ヨシムネがいそいそと火をつけた。
このコウモリジジイが、僕を見て醜いシワを寄せてにやけやがって。
悪だ金だのと、偉そうなことを言っておいて結局はまた小娘の奴隷。
次は死ぬまで、数字を数えさせてやろうか。