J000 世田谷 ツバキ (26/135)
「あります」
僕からサランラップを受け取り、ルシエとフジコはゼンイチの四肢にそれを撒いた。
「……抵抗したら、チンしちゃうからね」
まるで砂場で城を作る子供のようだった。
やがて来た中央アタルの車に、文京ゼンイチを乗せ、台東フジコはパンパンと手をはたく。
「ご満足頂けましたか? ご主人様」
この短時間で中央アタルと杉並ルシエを奴隷にし、文京ゼンイチを拉致。
「結構です、フジコさん」
「俺はもう行っていいのか?」
シュッシュッとライターの石を鳴らし、中央アタルがそう言った。
「ああ、ちょっと待ってください中央さん。いくつか聞いておきたいことがあります」
運転席を開けたまま、中央アタルがこちらを見た。
「リュウオウくんは、僕を本気で奴隷にしようとしているんですね?」
「……恐らくな。だがリュウオウの真の目的は俺もよくは知らない」
「ふむ。恐らく、彼の目的は練馬ヨシムネでしょう」
「どういうことだ?」