J000 世田谷 ツバキ (27/135)

「知らないんですか? リュウオウくんのお母さんが、練馬ヨシムネに借金をしていることを」


「本当なのかそれ。集中的に金を集めてはいたが……」


この様子だと、リュウオウの奴隷全員が聞いていないようだな。


リュウオウは練馬ヨシムネを奴隷にしたがっている。


喉から手が出るほど、それを望んでいる。


練馬ヨシムネが、荒川エイアの奴隷になったことも知らずに。


「中央さん、荒川エイアと大田ユウガの行方は知っていますか?」


中央アタルは首を横に振る。


リュウオウくんの警戒心は強いようだ。


「このあと、僕に対し、誰をけしかけてくるか、知っていますか?」


「いいや。品川ゼロと板橋ゲッコウの一件から、リュウオウは奴隷ですら信頼しなくなった。今回は単に杉並ルシエとぺアで、あんたを襲えと言われて来た」


だが、台東フジコの働きにより、それも失敗に終わった。


大事な局面において、彼は奴隷にすら詳しい作戦内容を語らなかった。


「ふうむ。考えても分かりそうにありませんね。杉並さん、何かいい案はありますか?」


彼女は僕を見上げた。


「いい案っていうのは?」