J000 世田谷 ツバキ (19/135)
ちょうど、SCMをばら撒き終わった頃だったか。
苦渋の思い出に、今でも笑いが込み上げそうだ。
戯れで付き合っていたが、妊娠を機に別れることにした。
SCMを使わずとも、それは可能だった。
だが、僕の目的への支障だったことは確かだ。
SCMに使われる部品には高価な金属も存在する。
僕はその金策に、闇金を頼った。
危険でも、僕は確信していた。SCMの絶対的な力と幸福への道筋に。
普通に金を借りたつもりだが、その金利は暴利なものだった。返済は滞るばかり。
何の因果か、それは練馬ヨシムネが運営する系列店の1つだった。
因果と言ったが、僕の住む地域の闇金はほぼすべてが、最終的に練馬ヨシムネへ行き着く。それはあとから知った。
彼の部下にプレッシャーを受けるなか、同時に起こった彼女の妊娠。
多方面からのストレスに、僕はSCMに正直……すがった。
僕はすぐに、彼の孫である北ミナミに近づいた。