J000 世田谷 ツバキ (16/135)

職業を1つ増やすような感覚だった。



「それは単純明快で! 古来より存在し! 文化が未来へ進む上で理性や綺麗事によって淘汰されつつある職種!」



だが、生物のDNAにまで刷り込まれた根本的職業。封建社会とはそこから生まれた。



「奴隷という仕事と! 主人という役職! ただそれだけなんです!」



凄惨なものを求めているわけではない!



「現代社会も何も変わらないじゃないか!」



それをただカテゴライズし、言葉を変えただけだ! 



社員を奴隷といい、社長を主人とするだけ!



曖昧にするくらいなら、いっそハッキリと区別し差別化するのがいい。



SCMに関わった時点で、天命にも似た道筋すら感じていた。



進むべき道をSCMに見出した僕には目的……いや、大儀があった。



「SCMの技術を拝借したのは魔が差した、というよりも確信に近いものだったのは今でも覚えています」



「確信?」



「SCMの技術があれば、確実に、僕は幸福になれる、というものです」



杉並ルシエは僅かに唇を内側へ含んだ。